浜松で着物(きもの)・振袖をお探しのお客様へ|和福屋はお客様の「きものを楽しむ」お手伝いをいたします

和み通信web | きものを着る知る遊ぶ『和福屋』と『和ろうど』からのワクワク通信 『和福屋』では定期的にスタッフのきものの知識を深めるため研修取材を行っています。その取材レポートとコーディネートや、きものにまつまる情報をまとめたオリジナル情報誌『和み通信』の一部をホームページでもご紹介します

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京都染織胸キュン日記
京都染織イメージ1 京都染織イメージ2 京都染織イメージ3 京都染織イメージ4 京都染織イメージ5

江戸時代には禁裏御用達(=宮内庁御用達)として、そして数多くの機屋が廃業に追い込まれた戦争中も、西陣織の技術保存のために国より選ばれた数社の中の一社として、歴史を紡いできた西陣まいづるさん。
技と素材にこだわる最高級の帯との出会いに感動しました。

老舗中の老舗が誇る手織りならではの最高の西陣織

西陣の帯に必ずついている、西陣織工業組合のメガネ型証紙。
そこには生産者番号が表示されていて、1~37番までは組合発足当時に五十音順に登録した老舗中の老舗だそう。
29番の西陣まいづるさんは親子代々で携わる職人さんもいらっしゃるほどです。
伝承と進化をつづけてきた優れた技術と自社オリジナルの最高品質の素材で生み出された作品は、西陣織大会で何度も最高賞を受賞。「美しいキモノ」にも度々登場する機屋さんです。

工房では職人さんたちが、手作りの櫛やへらを使い、下絵に合わせ丹念に図柄を手機で織り込んでいました。
上品で深みのある色糸のハーモニー、そして手織りならではの繊細さと豊かな風合いに見とれるばかりでした。

春の季節にぴったりな帯、見つけました!
春の季節にぴったりな帯、見つけました!
手織りならではの優しさを感じます!
手織りならではの優しさを感じます!
「お客様が喜ぶこと」を一番大切にしたものづくり

続いては作品の数々を拝見。豪華な螺鈿の帯や繊細なすくい織など多彩な中、シックモダンな象柄の帯に目が留まりました。

「これは以前『美しいキモノ』誌面で女優の藤原紀香さんが着用されたもので、三眠蚕(さんみんさん)を経糸に使用しています。
一般的な蚕が4回脱皮するのに対し、3回しか脱皮をしない三眠蚕の糸はしなやかな風合いと透き通る輝きが特徴ですが、飼育が非常に難しく、また糸の細さゆえに高い技術力が要求され、極めて希少なのです」と、スタッフさんが両方の繭と糸を見せてくださいました。

「『お客様が喜ぶことが一番』を一番大切にし、素材も国産繭にこだわりつづけているのです」との一言が特に心に残ったひとときでした。

『美しいキモノ』で藤原紀香さんが着用されたきものと帯
『美しいキモノ』で藤原紀香さんが着用されたきものと帯
人気商品の「美山すくい織」はこんなに表情豊か!
人気商品の「美山すくい織」はこんなに表情豊か!
小さい繭に細い糸が「三眠蚕」、通常の繭との違いは一目瞭然
小さい繭に細い糸が「三眠蚕」、通常の繭との違いは一目瞭然

大島紬をベースにおしゃれなきものを創作されている作家・中賀和健秀さん。
その作品はどれも茶色くて地味な大島紬の概念を覆す圧倒的な存在感で、すっかり魅了されたスタッフ一同。直接きものや帯に触れることで創り手の思いを体感する貴重な研修になりました。

「これが大島紬!?」晴れの場にもふさわしい作品まで創作の世界にただただ圧倒!
摺り友禅の技法を使った訪問者
摺り友禅の技法を使った訪問者
手描きや絞りなど多彩な技が使われていました!手描きや絞りなど多彩な技が使われていました!
手描きや絞りなど多彩な技が使われていました!

大島紬に新しい世界を築き上げた、として知られる人気作家・中賀和健秀さん。
おしゃれきものとしてのイメージが強い大島紬の絣技術を活かしながらも、絞り・抜染・手描き友禅・金彩など多彩な技法との今までにないコラボレーションにより、パーティーなど晴れの場にもふさわしい品格あるきものとしても装えるような作品を創り上げ、「創作大島」というジャンルを築き上げられました。

早速作品を見せていただき、その表現の幅広さに圧倒!
シックで素朴な大島紬らしさを感じるものから「これが大島紬?!」と今までの概念を覆されるような色鮮やかなダイナミックなものまで、一くくりには言い表せない世界にぐっと引きこまれました。

大島紬の大家・都喜ヱ門のDNAを受け継ぐものづくり

この豊かな発想はどこから生み出されるのでしょうか?お話を伺うと、もともと中賀和さんは、大島紬の最高峰「都喜ヱ門(ときえもん)」ブランドに携わっていたそうです。
都喜ヱ門は「紬一つをわが生命とぞする」を人生哲学として、本場大島紬の伝統技法をベースにしながらも新しい図柄・技法を求め、70年余りをより忠実に表現するための絣や染色技法を開発し時代を先取りする作品創りに費やされた大家。
そのものづくりのDNAが中賀和さんに着実に受け継がれていることを実感したのでした。

ヴィトンのようなモノグラム調の文様の中に、別の模様が織り込まれてています。これが「織がさね」の技法だそう
ヴィトンのようなモノグラム調の文様の中に、別の模様が織り込まれてています。これが「織がさね」の技法だそう
中賀和さん自ら体に当てて解説。柄の出方が本当に美しいです!
中賀和さん自ら体に当てて解説。柄の出方が本当に美しいです!
高度な技法にこだわりの生地大島紬の世界は無限に広がる
螺鈿を使い、モザイク手法で表した雷神の絵柄
螺鈿を使い、モザイク手法で表した雷神の絵柄
迫力満点!
迫力満点!
エジプトの壁画モチーフでこんなポップな作品も
エジプトの壁画モチーフでこんなポップな作品も

中賀和さんはたださまざまな技法を駆使しているだけではありません。織り上がった大島紬の生地の上に、さらに織を重ねる「織がさね」は特殊で非常に高度な技術だそう。
さらに生地は大島紬の故郷・鹿児島産にこだわっているとのことでした。
軽く温かい、着崩れしにくくシワになりにくい。着こめば着こむほど肌になじむなど、きもの通の心をつかむ大島紬。
落ち着きのある色目でシックなきものというイメージを持っていましたが、おしゃれな色柄が目新しく、洋服の中にいても浮くことのない爽やかなきものに出会い、視野の広がった思いでした。

「創りたいものがたくさんあるの!」。京都市北区の工房「禅」で、着る立場の視点から、おしゃれなきものや帯を次々に創作されてる山下久美子さん。
肩ひじ張らないライトフォーマルな新作きものや帯に、スタッフ一同テンション上がりっぱなし!! ときめきとパワーをいただいてきました。

着る立場の視点から生まれる身近なきものの美しさが新鮮!
山下さんのデザインに心ときめきました。
山下さんのデザインに心ときめきました。
お太鼓とタレに猫。締める人も見る人も思わず笑顔になります。
お太鼓とタレに猫。締める人も見る人も思わず笑顔になります。

ご自身がきものをよく着られ、きものが大好きという山下久美子さん。
着る立場から、あるいは母の立場で娘に着てほしいという視点から女性ならではの感性が光る作品を作られています。

一般的にきものの創作の世界は男性が多いなかで、男性が求める女性の美しさとは違った、山下さんならではの身近で現実的なきものの美しさがとても新鮮!
次から次へ紹介された新作に一同心がときめきます。

現代風アレンジ 100年たっても愛される模様をいかに現代風にアレンジするかがテーマ

「シンプルなものでも遊び心のあるものを、一見では気づかずともよく見ると捻りがあるデザインを」と言われる山下さんの作品には、フォーマルの訪問着でも付下げ感覚で現代風。
しかも、どこか遊び心を効かせたデザインにおしゃれ心をくすぐられます。
「100年たっても愛される模様をいかに現代風にアレンジうるかを大切にしています」と山下さん。
古典的なモチーフも山下さんが手掛けると春のように心弾むきものができあがります。

梅のような桜のような模様の訪問着もどこか軽やかで現代風
梅のような桜のような模様の訪問着もどこか軽やかで現代風
レーシーな帯も今風で華やか!
レーシーな帯も今風で華やか!
鳥獣戯画は山下さんのヒット作。愛らしい鳥獣に思わず楽しくなります
鳥獣戯画は山下さんのヒット作。愛らしい鳥獣に思わず楽しくなります
「創りたいものがたくさんあるの!」創作心、遊び心いっぱいのきもの

今年は帯に力を入れているという山下さん。古典模様ながらも、作風という縛りがなく、さまざまな素材や生地やモチーフで固定概念に囚われない自由なセンスが光ります。
「創りたいものがたくさんあるの!」とう山下さんのパワフルなエネルギーが作品に宿っているようで、作品を見ているだけで元気が湧いてきました。
美しいだけでなく女性ならではのスパイスを効かせた新作に注目です。

よく見るとファニーな髑髏の柄、鈴木店長のお気に入り!
よく見るとファニーな髑髏の柄、鈴木店長のお気に入りに!

鎌倉生まれ、仏画家のお父様と一緒に若い頃はロスの西本願寺にお釈迦様の壁画を3年かけて描いていたという千地泰弘さん。
帰国後は絵心を活かして友禅の彩色を勉強し、今では京都を拠点に独自の世界観できもの文化をグローバルに発信。ただいま世界各国の国旗をデザインしたきものを制作中。ダイナミックな発想に夢を感じます。

アメリカ国旗デザインと中国国旗デザインのきもの
アメリカ国旗デザインのきもの(上)
中国国旗デザインのきもの(下)
紅白の衣裳となった伊勢海老のきものの前で千地さんと撮影
紅白の衣裳となった伊勢海老のきものの前で千地さんと撮影
きもの文化を世界へ!自ら発信していくチャレンジャー

千地泰弘さんは紅白の美川憲一さんや小林幸子さんの衣裳を創作するアーティストとして有名です。その活躍の場は日本にとどまらず、イタリアオペラ「蝶々夫人」の舞台衣裳や、フランスのバレエ振付家モーリス・ペジャールの衣裳など世界を舞台にきもの文化の素晴らしさを発信しています。
「今、きものに世界が注目しています。実際海外できものを着ている方がきものを買うために来日するケースもあります。これからきものはさらに注目を浴びます。
日本の方にはぜひきものを着て楽しんでいただきたいと思います」と千地さん。

きものをこよなく愛する千地さんは、受け身ではなく自分から仕掛けていくチャレンジャー。今、世界各国の国家のきものをデザインされていて、その一部を見せていただきました。自由な発想で伸び伸びとしてデザインのきものを創作される千地さんに大きな夢を感じます。

物語があり遊び心のあるきものや帯を創作!

工房で千地先生の作品を見せて頂きました。技術的なこと以上に、きものっておもしろくて楽しい、そんな世界
を多くの方に伝えたいと語る千地さんの作品にはそれぞれ素敵な物語がありました。

草木染のグラデーション結城紬

草木染のグラデーション結城紬

先染めでボカシを表現した結城紬。
何百種の糸を草木染めして、たて糸で美しいグラデーションを表現しています。
蓮糸の帯

蓮糸の帯

帯一点に35,000の蓮の茎をつかった蓮糸の帯。亡くなったお釈迦様とずっと居られるようにと弟子たちが蓮の袈裟をつくったという物語のある作品です。
ラピスラズリの帯

ラピスラズリの帯

邪気を払い幸運を運ぶと伝えられるラピスラズリを粉末にして織り込んだ帯。
見る角度によって輝き方が違います。
南天の帯

南天の帯

難を転じるという意味を持つ南天の柄の帯。南天の実には3つまたは5つの珊瑚がついています。

創業明治22年の老舗、加納幸さん帯は洗練された美しさに定評があります。
「美しいキモノ」掲載、洞爺湖サミットでは各国首夫人へ贈答の帯を制作、皇室にも愛される格調高い帯にウットリしました。

デザインと色にこだわる加納幸ブランド

ほとんどの工房が図案を買い付けてモノづくりをしているなかで、加納幸さんは社内のベテラン図案家さんたちが自分たちで図案を考え、色を選び加納幸ならではのブランドづくりに力を入れています。
「加納幸の帯はグレーなどの中間色が多くシャンパンゴールドとチョコレー色が看板になっています」と加納幸さん。
何年たっても飽きのこないデザインと色、多彩なシーンで多彩なきものに寄り添う、時を超えて愛される帯づくりを目指しています。

色の支持が記された緻密なプログラムも社内で制作されています
色の支持が記された緻密なプログラムも社内で制作されています
美しい帯に思わず感動
美しい帯に思わず感動・・・
そのしなやかさの秘密は手機へのこだわり
60年も帯づくりをされている奥村さん
60年も帯づくりをされている奥村さん
鏡に映しながら帯を織っていきます
鏡に映しながら帯を織っていきます

加納幸さんの帯はふんわりと空気を含んだような感触も魅力。その秘密は加納幸さんで行われている手機です。手機は高さと深さが必要と、2階部分は吹き抜けに、地面は1メートルくらい掘っているそうです。
「帯を織るときには湿気があった方が良く、だから地面を掘って湿度を保つようにしています。帯の裏糸で帯が重くならないよう模様の部分だけを裏糸を残し軽くしているのも手機ならではです」とはこの未知60余年の奥村さん。日本の手仕事のうつくしさの極みを見せていただきました。

着物好きのアナタに読んでほしい

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