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和み通信web | きものを着る知る遊ぶ『和福屋』と『和ろうど』からのワクワク通信 『和福屋』では定期的にスタッフのきものの知識を深めるため研修取材を行っています。その取材レポートとコーディネートや、きものにまつまる情報をまとめたオリジナル情報誌『和み通信』の一部をホームページでもご紹介します

和み通信バックナンバー

綺麗!可愛い!着てみたい!

9月11日、和福屋&和ろうど一同は、今、京都で注目のブランドきものの工房へ研修に行ってきました。
しなやかな感性で美とセンスを追求するきものづくりの現場で心うるおう素敵なきものとの出会いがありました。


箔と箔のブレンドで奏でる美しさは一期一会 和田光正 金彩友禅

お客様の声を聴き、今らしい金彩友禅をつくる
日本の名工 和田光正さんの工房を訪問しました!

きらきらだけが金彩友禅ではありません!


金彩と言えばキラキラのきものをイメージされる方も多いのでは?
日本の名工としても知られる和田光正さんが開発された金彩はなんと150種類以上の色があり、ある時はゴージャスに、ある時はエレガントに、その表情の多彩さに驚きでした。

表情は多彩
金彩友禅の表情は多彩
さりげなく粋な金彩友禅
さりげなく粋な金彩友禅
はんなり優雅な金彩友禅
はんなり優雅な金彩友禅

和田光正さんが開発したはがれない箔


京都駅から車で20分、黒塗りの大きなビルに和田光正工房『光彩工芸』さんがあります。
15歳の時に友禅の仕事を始めた和田光正さん、今年で60周年になるそうです。
「金箔はすぐに剥がれてしまう」というお客様の声に応えようと、和田光正さんは京大の染色研究所に通うなど真摯に取り組み、現在の樹脂糊を開発。その技術はきものはもちろん、元横綱の千代の富士の化粧まわしや、最近ではシンクロの水着にも活用され、伸びても濡れても大丈夫な箔に進化しています。

さりげなく粋な金彩友禅
150種類くらい箔の色があるそうです
はんなり優雅な金彩友禅
黒いビルは映画、極道シリーズのロケ場所になったとか!

箔と箔の出会いが奏でる金彩友禅の現場へ

金箔と特殊な染料を混ぜることにより色と色のブレンドで150種類くらいの表情多彩な箔が生まれます。
工房では金彩砂子を振り落として描く金彩友禅を見せていただきました。ここでは職人さんが一人で最初から最後まで柄付けをしていきます。箔と箔のブレンドで描く金彩友禅は一期一会のもの。
つくる人の個性もあり同じ柄でも同じ色になることはない、まさにオンリーワンの作品が誕生します。
ちなみに若いデザイナーも多い工房では、和田光正さんが何度もチェックをして作品はできあがるそうです。

デザイン画に沿って型紙を置き金彩砂子で描きます
糊のついた模様に砂子を振っていきます
スクリーンの型紙ははっきりした模様に向いています。
伊勢型紙は優しい模様のときに使います。

箔と箔の出会いが奏でる金彩友禅の現場へ

工房見学の後は、できあがった作品を見せていただきました。キラキラと輝く表情の作品もあれば、しっとり優しい表情の作品もあり、「これも金彩なの?」と思えるくらい、さりげないエレガントな金彩友禅が新鮮でした。時代の声を聴きながら金彩友禅も常に進化していることを感じました。

ライトを当てたときに「風神雷神」の金箔が浮かび上がってきます
中川清司さんと木工作品
和田光正さんプロフィール
1940年京都市生まれ。友禅の染織職人の父を持つが3歳の時に他界。染色工房に入り師匠とともに金彩友禅の糊を開発、62年に独立して工房を持つ。80年日本染織作品展「文部大臣奨励賞」受賞以来、数々の賞を受賞。横綱貴乃花関など独創的な化粧まわしの創作でも有名。2012年文化勲章瑞宝章を受章。日本の名工、京の名工、伝統工芸士。名実ともに金彩工芸の第一人者。

箔と箔のブレンドで奏でる美しさは一期一会 和田光正 金彩友禅

美しい「タッサーシルク」と可憐で繊細な刺繍の美…
今まで出会ったことのないきもの&帯に感激!


タッサーシルクの可憐で繊細な世界に感動 シンプルモダンなきもの新世界

京都のなかでも野蚕糸(やさんし)や更紗模様にこだわった貴久樹さん。アジアの風土で生まれた素材を、情趣あふれる日本の感性できものや帯に表現しています。優しい手触りやモダンで上品な色、刺繍などのデザインは唯一無二のセンスの良さが光ります。

  • 神代杉をイメージさせる美しい色とモダンな模様 野蚕糸で織るきもの、温もりのある手触りが魅力
  • 木目調の地に睡蓮の花が幻想的で素敵です モダンな色柄、繊細な刺繍がおしゃれ!

タッサーシルクのきものが新鮮!

貴久樹さんはインドのアッサム地方で香木を食べて成長した黄金の繭を紡いだ『ゴールデンムガ』を送りだしたメーカーさん。さらに光沢のあるクリーム色の繭を紡ぐ『タッサーシルク』を加え、常に時代とともに進化したきものづくりをされています。絹の豊かな表情やしなやかで優しい手触りは、他にない魅力!
着る人の魅力を最大限に引き出す素材と色合いは、若い人からシニアの方まで年代を問わずファンが増えています。

  • 神代杉をイメージさせる美しい色とモダンな模様 「タッサーシルク」はしゃれものの無地ながらも
    「きちんと感」を発揮する万能無地
  • 木目調の地に睡蓮の花が幻想的で素敵です 更紗模様の素敵な小紋もありました

手刺繍の帯の素晴らしさにも注目!

オリエンタルな更紗模様に魅かれた貴久樹さんの帯は、高度な職人技を持つインドの手刺繍や中国の伝統刺繍を、日本人の今の感性で表現しています。
古典と現代センスが見事にコラボしたオンリーワンの帯はスタッフも思わず「可愛い!着てみたい」と思わせる逸品です。

神代杉をイメージさせる美しい色とモダンな模様 刺繍の帯が美麗で可愛らしさもあり!
神代杉をイメージさせる美しい色とモダンな模様 刺繍の入った可愛い帯は女性スタッフの注目の的に!
京都の染工房体験

京都ではきもの制作を分業で行い、それを取りまとめるプロデューサー的な役割の悉皆屋さんがいます。今回は前ページで紹介している貴久樹さんのきものを染められている3つの染工房で型染め・引染め・炊染めの研修をさせていただきました。染める方法は違っても、愛情を込めて染める職人さんの姿に感動したひとときでした!

大宮染織さん「型染め」

何枚もの型紙を使い繰り返し染める型染め。2反張りの板場は奥行き27メートル。型紙に自社で調合した糊に耳かき一杯程度の化学染料を混ぜてつくった染料で一色一色染めていきます。「このきものは13色使っているので、型紙を替えて13回染めていきます。色数の分、型紙が必要なので、複雑な色づかいになると100回以上染めることもあります」と職人さん。型紙と型紙の継ぎ目をきっちり合わせ、リズミカルに染めていきます。

河原田染工さん「引染め」 一反、一反のきものと対話しながらムラなく引染めをする河原田染工さん。1階では濃い色のきものを、2階は薄い色のきものを引染めしています。「染料が飛ばないように配慮しています。絹の素材やその日の湿度によっても色の定着の仕方が違います。色合わせは室内で着ることの多いきものは蛍光灯の下で、屋外で着ることが多いきものは太陽光で合わせるなど、職人ならではの感性を発揮しないと美しい地染めはできません」と河原田さん。お客様の要望を聞き、絹と対話しながら美しく染めていく様子はまさに職人技です。

大宮染織さん「型染め」
効率を考え型紙は2反分あります
一色一色型紙を替えて染めて模様を完成させます
河原田染工さん「引染め」
引染めをした生地は、たわまないよう伸子で張り乾燥させます
水車のような機械に、シワにならないようくるくる反物が巻かれています


手刺繍の帯の素晴らしさにも注目!

無地染めは引染め以外に『炊染め』があります。炊染めは、釜の温度を上げた熱湯の中に染料を入れ、反物を何度もくぐらせて染めます。絹は90度(綿麻は60度)の温度を設定、一度に20反の反物を入れて効率よく染めることができます。

神代杉をイメージさせる美しい色とモダンな模様 生地の色見本を見ながら染め具合を調整。効率を図る染め方とはいえ、働く人の作業を見ていると手間暇がかかると実感しました
神代杉をイメージさせる美しい色とモダンな模様 水車のような機械に、シワにならないようくるくる反物が巻かれています


着物好きのアナタに読んでほしい

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