こんにちは!静岡県にあります着物専門店『和福屋』です!
本日ご紹介するのは「振袖から訪問着に仕立て直し」について。
お振袖は未婚女性の第一礼装、つまり結婚をすると着られなくなります。
思い出の着物をなんとかしたいけど、タンスにしまったまま…どうしたらいいのか分からない…
そんな振袖をお持ちの方はぜひこの記事を参考にしてください(*^^)v
<目次>
〇振袖を着る場面
〇訪問着を着る場面
〇振袖を訪問着へ
〇仕立て直して着られる条件
・色合い
・柄のバランス
・八掛の色
〇写真で見比べる条件
・お直し出来る○
・お直し出来ない×
〇和福屋が「オススメしません」と言う理由
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・成人式 ・前撮り ・卒業式
・結婚式 ・お顔合わせ 等々…
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結婚式では会場がより華やかになるということで、振袖を着てほしいと頼まれることもあります。
年齢でいえば20代~30代前半頃、色合いによって多少前後します。
その場を華やかに豪華に彩る振袖は、写真にもとても映えるので、お祝いの席ではぜひたくさん着ていただきたいものですね♪
振袖を着る場面はそのほとんどが自身が主役、とも言えるので、自分の好みに合わせて色柄を選びましょう!
・お宮参り ・七五三 ・結婚式
・入学式 ・卒業式 等々…
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訪問着を着る時は、「主役のそばでそっと花を添える」そんな気持ちで、一歩下がって品よく装うのが好ましいでしょう。
主役の方を立てつつも、着物としての品のある色柄であればどんな場面でも対応出来ます!
かつては「いずれは短くして訪問着にする」という【前提】のもと、最初からそのようなデザインや色にしていた振袖も多くありました。
その分、振袖としては落ち着いた色や柄であるものになりますが、訪問着に仕立て直しその先長く着ることが出来るという利点があります。
●色合いについて
訪問着を着るということは、それ相応の立場や年齢ということ。
例えば一般的な結婚式の会場へ着て行くことイメージすると、主役はもちろん新郎・新婦様です。
お呼ばれの席に並ぶのであれば色は控えめにして、主役を立てる装いで並ぶという気遣いが出来ることが好ましいですね。
着物によっては「染め替え」をすることが出来ます。
●柄のバランスについて
「この柄が入っていたらダメ」というものはないのですが、
一番重要なの柄のバランス・配置です。
今までの依頼で相談の上お直しを辞める理由となったのが
・袖の柄が中途半端に途切れてしまう。
・訪問着として着るには年齢的に色・柄が派手すぎる。
※こちらの振袖のように地色・柄の条件が合えばカットのみで綺麗に仕上がります。
一般的に訪問着の袖の長さは1尺3寸(49㎝ほど)となります。
その長さで切った場合に柄が途切れないような配置になっていれば、訪問着としての条件も満たした綺麗な着物に仕上がります。
●八掛の色
振袖や袷の着物には「八掛」が付いています。
八掛は袖口や裾から少し見えるので、ここの色もチェックが必要です。
振袖の場合は華やかさ重視なので「見せるオシャレ」でもある八掛には鮮やかな色を組み合わせることが多いのが特徴です。
訪問着にする際には先を見据えて、落ち着いた色合いや着物になじむ色を選んで付け替えるとより長く着ることが出来ます。
どのような色が良いかは、お客様と相談しながらオススメさせていただいております。
実際の写真を参考にしながら、改めてご紹介させていただきます。
時代の流れによって振袖の色や柄は変化しており、最近では袖を切らずに「ママ振袖」としてコーディネートを変えて次の世代であるお嬢様が着る、という唯一無二の振袖も人気です!
切ってしまうと元には戻せないので、その可能性も考えながら参考にしてくださいませ。
こちらは実際に訪問着に仕立て直しをしたお客様のお振袖です。
落ち着いた色目と柄付けなので50代まで着られます。
また、上の写真の切り離した部分の柄が気に入っているのでそちらを袖に使いたい、という場合には柄をずらして仕立て直すことも可能です。
ただし肩部分の柄のつながりは途切れてしまうので、この場合茶色のぼかし部分が途中で途切れてしまうことになります。
写真の方のようにお母様から譲られたお着物ですと、最初から訪問着に仕立て直すことを前提にした柄付けになっている場合が多いです。
こちらは明るいピンク色なので、訪問着にした場合は20代~30代前半のお母様向けです。
シーンはお宮参りや入園卒園式などが勧めです。
こちらの方は、柄と着姿とのバランスを見ながらカットします。
例えば長く垂れた藤の柄を重視するのであれば、袖の長さを通常より長めの1尺4寸(53㎝ほど)にする等、着る方の身長や体型を考慮してご提案致します。
また赤色は訪問着として着るには鮮やかなので、染め替えをするのが良いですね。
こちらは最近のお振袖の画像です。
例えばこちらの袖を着る場合、カットすると袖の柄が中途半端に途切れるので、出来上がりが不自然になってしまいます。
また、お振袖としてではなく訪問着として結婚式に着て行くという場合は、落ち着いた色柄がいいでしょう。
こちらも上記と同様、柄付けの点で訪問着にし難いです。
最近のお振袖は上二枚の写真のような総柄(全体に柄がある)が多く、お振袖ならではの豪華さと華やかさがあります。
せっかくであれば仕立て直すよりも、振袖のまま次の世代に譲られることをオススメします。
●和福屋が「オススメしません」と言う時・その理由
上記のように、仕立て直しをするにもいくつかチェック項目があります。その条件を満たしていない場合は、袖を短くしても「訪問着」とは見られず、ただ袖の短い振袖になってしまいます。
また私たちは、実際に着るお客様が恥をかくことのないようにアドバイスをさせていただくのが、着物屋スタッフの役目であると考えているので、色や柄によっては袖を切らずにそのまま残して、次の世代の方に譲ることをオススメしています。
着物を着る場面では、その時の自分の年齢や立場を最大限に生かせる装いをしていただきたいと思うので、染め変えをする場合もなるべく様々な場面や回数が着られるように、お客様の好みの色と今後の事を考えて相談をしていきます。
「和福屋」では、仕立ての知識を持つスタッフがお客様の思いをお聞きしながら、どのように残したいかを一緒に考え提案をさせていただきます。
お振袖以外のお着物への仕立て直しも承っておりますので、ぜひお気軽にお声掛けくださいませ。