●菊
実際の菊の花には除菌作用や炎症を抑えるといった作用があるため、漢方薬にも使われています。
また、菊の鮮やかな色と大きく広がる丸い形は「太陽」を彷彿とさせます。
それらの理由から、長寿・無病息災などの意味と、精神・気力の充実、気高さ、落ち着き、心身の充実を表す模様とされてきました。
●薔薇(バラ)
バラはその姿形から愛と美の象徴として親しまれてきました。
また四季を通して咲くことから「長春花」と呼ばれ、一年中穏やかな春が続くことを表す模様とされています。
●梅
まだ降り積もる雪の寒さに耐えながら、新年を祝うように咲く梅の花は、とても縁起のいいものとして今も昔も愛されています。
その様子から「忍耐力」「生命力」「子孫繁栄」の象徴とされて新春を代表する吉祥文様です。
可愛らしい見た目ととの力強さが、女性らしい美しさと凛とした強さに繋がりますね。
●芍薬(シャクヤク)
芍薬は漢方としても使われる花です。牡丹と似ているのですが、違いは「草」であることと葉にツヤがあり、切れ込みが入っていない点です。
花びらがとても大きく、その見た目から「美しさ」「気品」「慎ましさ」といった素敵な女性に育つようにという願いが込められています。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
●牡丹(ボタン)
牡丹は毎年美しく大きな花を咲かせるので、そこから美しい女性の象徴とされており「百花の王」とも呼ばれています。
豊年の兆しになるめでたい花として「幸福」「富貴」の象徴となります。
芍薬との違いは、「木」であることと、葉にツヤはなく切れ込みが入っている点です。
●鞠(マリ)
昔ながらの女の子の遊び道具の一つですが、その形から「円満な家庭を築けますように」「として、その色の鮮やかさや丸みを帯びた形から「可愛らしさ」の象徴ともされる鞠です。
鞠は長い糸を使って作られることから「縁を結ぶ」という意味があります。
また、その作りから子へ向けた親の愛情が感じられるのもまた素敵な柄ですね。
●藤
平安時代に活躍した藤原氏の繁栄から、高貴な花とされてきました。
またその響きが「不死」と似ていることから「長寿」「子孫繁栄」を意味しています。
ほとんどの花が上向きに咲くのに対し、藤の花は下向きに流れるように花が咲きます。
その様子から昔の貴族の方は、天と地を繋ぐものと信じていたようです。
●松竹梅
松…どんなに寒くても青々とした緑色を絶やさず、寿命も長いことから「神の宿る木」と言われる。
竹…松と同じく雪の日でも負けずにまっすぐと伸びる力強い生命力。
梅…冬の寒さの残る内から、いち早く花を咲かせる小さくも鮮やかな花。
これらの特徴から辛く厳しい時も腐らずに、まっすぐに生きて花を咲かせる「生命の輝きと力強さ」という意味が込められています。
●辻が花
かつて「女性の憧れ」と呼ばれた「辻が花」は、今も昔も変わらない人気を誇ります。
実在する花ではなく、着物の中にしか存在しない為「幻の花」とも言われることがあります。
1つひとつを絞り・染め・刺繍などとても細かい工程を経て出来上がる作品は、見る人を魅了する不思議な魅力があります。
●松
松はどんなに寒い冬でも緑色の葉をつけるところから、長寿のシンボルとされ、強い生命力を表しています。
また、松の葉は必ず二本でひとつとなることから、「縁結び」の意味が込められています。
●御所車(ごしょぐるま)
平安時代に貴族が乗っていた牛車を「御所車」と言い、その見た目から「華やかさ」の象徴となります。
御所車の中には花をたくさん乗せた「花車」と呼ばれる柄もあります。
幸福の象徴である縁起物や花で満たされた様子から、「幸せにあふれますように」という意味が込められています。
●桜
桜は「物事のはじまり」を意味します。昔は桜の咲き方によってその年の穀物の実りを占っていたので、大事なことの始まりだったのでしょうね。
そして、さくらの「さ」は山の神様を意味し、「くら」は座る場所という意味があります。
山の神様は春になると里に降りて「田の神」になるという言い伝えがあり、その降りる途中に座るのが桜の木という、とても素敵なお話ですね。